幼い頃から母さんの話によく出る名前は……

「ソレイル」





第一章 それぞれ

花の少年



母さんはもともと花の里の人ではなく、日光種の里で生まれたらしい。
花の里のことしか知らないオレは母さんの話を聞くのが楽しくて、よく話してもらった。


その中によく出てきたのが「ソレイル」。


そして名前が出るたびに切なそうな顔をする母さんをよく覚えている。
父さんとも知り合いだったのか同じような顔をしていた。

幼心からか、家族にそんな顔をさせるヤツに会ったら絶対やっつけてやると思っていた。
……まさか消滅していたとは思いもよらなかったけど。



その内、母さんの口から名前を聞くことがなくなってオレは安心していたけど、
父さんからも隠れてコッソリ泣いていたのを知ってる。
父さんは何も言わないがオレは気になる。


消滅したんだからどうしようもないじゃないか。

なんで引きずってるんだよ。


男か女か知らないけど、オレの中のもやもやは消えない。
会うことがあったら絶対文句言ってやる。






オレの中で「ソレイル」はそういう存在だ。



BACK ・ HOME ・ NEXT

- - - - - - - - - - - - -
ライイとキィリー(ライイの夫)の子供の一人称です。
微妙にマザコンちっくになってしまってどうしようかと思っています(笑)
まあでも、小さい男の子はお母さん大好きですよね〜?
これで第一章はおしまいです。第二章はいよいよ主人公登場です!

[07.08.23]