Leaf Glass   >>>






リベンジ







はぁはぁと肩で息をしながら、男は目前を見据える。
剣を握り、ボロボロの青いマントを着た男は、石畳で覆われた広い空間に立っていた。
男の目前には、玉座に座った赤い目の男がいる。


「また懲りずにやってきたのか、勇者。」


赤い目の男は鼻で笑うように、少しずつ息を整えつつある男…勇者に話しかけた。

「これで、7回目だぞ。だが、今回は少し時間がかかったのではないか?」
「お前が毎回ここから一番遠いところに飛ばすからだろうが、魔王!」

ここまで来るのにどれだけの交通費がかかってると、、、とすさまじい金額のツケを思い出したのか思わず声が引きつる。


「それは貴様が弱いからだろう?」


勇者の言葉を躱し、魔王はニヤリと口を歪ませた。
言い返せない勇者は剣を握りしめ、ぐっと黙り込んだ。

「だが、貴様の何度敗れても1人で我に挑む心構えは、なかなか気に入ってはいる。」

だからこそ、殺したりはしない。勇者の心を認めているのは確かだ。
同時に、玉座からゆっくり立ち上がる魔王。それを見た勇者は、自分の息が整うのを待っていた魔王に小さく笑いながら、剣を握り直し構える。



「行くぜ!」



勇者が走り出した瞬間、戦いの火蓋は下ろされた。




fin.




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500文字内の短編お題「再会」をテーマに
書いたSSです。

気まぐれ魔王とカブってる!と思われた方、その通りです。
FUYUKOは魔王とか勇者とか
ファンタジーが大好きです(笑)


By.管理人*FUYUKO  2011/09/03


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